投稿

とある試合の戦評(2)

  とある試合の戦評(1) の試合について、もう少し細かくスタッツを見ていきましょう。 A高校 得点 38  3ptシュート   2/26(7.7%)  2ptシュート  12/44(27.3%) B高校 得点 84  3ptシュート  12/30(40.0%)   2ptシュート  21/47(44.7%) この数字は、 とある試合の戦評(1) でも紹介しました。 シュート成功率の差が勝敗に大きく影響した ということは、数字を見れば明らかです。 シュート成功率は、選手個々のスキルが関係していることはもちろんですが、相手の ディフェンス も大きく関係があります。 シューターがフリーな状態でシュートを打てないようにチェックにいったり、ボールキープすら難しいハードなディフェンスをしたり、ちょっとしたハードワークの差が大きな差となるのがバスケットボールです。 そういう意味では、 シュート力の差 は ディフェンス力の差 とも言えます。 他のスタッツも見ていきましょう。 A高校 フリースロー 8/17(47.1%)  リバウンド 55(OR26/DR29) B高校 フリースロー 6/12(50.0%)  リバウンド 50(OR20/DR30) フリースローの数や成功率には大きな差はありません。しかし、負けているA高校としては 唯一相手に邪魔されず、時間も使わないフリースロー を高確率で決めていくことで相手との差を縮め、プレッシャーをかけ、楽な試合展開にしないことも大事なことです。 前回もお話しましたが、リバウンドの数では負けたA高校がB高校を上回っています。 特に オフェンスリバウンド(OR)の差 が、ほぼそのままリバウンド数の差になっています。 オフェンスリバウンドは、オフェンス側にとっては味方がシュートを外してもオフェンスが続くので、攻撃回数が増え、得点アップに直接つながるプレーです。 逆にディフェンス側のチームにとっては、有利なはずのディフェンスリバウンドを取り損ねて、奪われているのでショックが大きいです。 何度も敵のオフェンスが続き、ストレスもたまります。コーチやベンチメンバーからも「リバウンドしっかり」と声がかかり、さらにストレスがたまります。 A高校としては、このリバウンドの差、特に オフェンスリバウンドの差を得点につなげる ことでB高...

とある試合の戦評(1)

  ここで、とある試合の結果を見てみましょう。 A高校 得点 38  シュート 14 (3pts 2 本) フリースロー 8   リバウンド 55 B高校 得点 84  シュート 33 (3pts 12 本) フリースロー 6  リバウンド 50 A高校は、リバウンドの数で相手を上回っているにも関わらず大差をつけられ敗戦しています。 一番大きな差は、シュート、特に スリーポイントシュート でしょう。 10本も差がつけられれば、それだけで 30点差 になります。 ここで、シュートの成功率を検証してみましょう。まずはスリーポイントから。 A高校 3Pt成功数 2  シュート数 26            2 ÷26×100= 7.7% B高校 3Pt成功数 12  シュート数 30              12 ÷30×100= 40.0%   シュート数に大きな差はありませんが、シュート成功率に大きな違い がみられました。 シュート成功率の差を計算で出してみましょう。 (40.0-7.7)÷7.7×100= 419.4% 419.4%増加させるということは、 約5.29倍 ということです。B高校はA高校の約5.29倍シュートを決めています。 B高校で特に3ptシュートを決めた選手は、13番の選手です。 13番の選手は、B高校で一番得点を決めた選手です。トータルで 33点 を決めるのですが、そのうち 24点 は3ptシュートによるものでした。つまり 8本 もの3ptを決めたのです。 21本中8本 のシュートを沈めて、その成功率は 38.0% です。 成功率で言うと4番の選手も高いです。4番の選手はトータルで 14点 を決めるのですが、そのうち 12点 は3ptシュートによるものでした。 そして、肝心の成功率はなんと 80% でした。 5本中4本 のスリーポイントを決めたのです。 気 づいたでしょうか? B高校のスリーポイントの成功数 12本 は、13番(8本)と4番(4本)の2人で決めたものです。 シュート力に自信があるのでしょう。チームとしても、この2人にボールを集め、できるだけディフェンスのつかない、フリーの状態をつくってシュー...

スタッツの話(1)

  そもそもスタッツとは? スタッツ(stats)は、英語のstatisticsの略で日本語では「統計学」と訳されます。 バスケットボールにおいては、何本シュートを打って、何本決めたかとか、リバウンドをいくつ取ったかということを 数字 で明らかにします。 それでは、 なぜスタッツが大事なのでしょうか? 「今日は調子が良かった」とか「最近シュートが決まらない」というような 「個人の感覚的な印象」 が、数値化することによって 「だれもがわかる客観的な事実」 になるからです。 「今日は調子が良かった」という感想も実際のデータでは、そうではないかもしれません。 印象に残るシュートを一本決めただけで、実際にはシュートの成功率は低かったということが データ的に明らかになる かもしれないのです。 逆に「最近シュートが決まらない」といった悪い印象も、数値化されて客観的に見てみると実際にはそこまで悪くなかったとか、どんどん良くなっているということもあるかもしれません。そして、そういうことがわかってくると プレーに良い影響 があるはずです。 つまり数値化されたデータを見れば、 過去の自分のプレーが冷静な目で見られる ようになり、後日、良かった点は続けようとし、悪かったところは反省する材料になります。 そのプレーを反省する材料は、主観的な個人の感想より 客観的な科学的データ であることが重要 なのです。 また、スタッツを読むと 相手のチームの研究 もすることができます。 どの選手に何点取られたのか、いくつリバウンドをとられたか、一目でわかります。 この選手はスティールが多いから気を付けようとか、この選手はスリーポイントの成功率が高いから外から打たせないディフェンスをしようとか、事前にデータでわかっていれば対策が立てられます。 このようにスタッツから読み取れる良かった点、悪かった点というのは、一人一人の選手もそうですが、 チーム全体の長所や短所も一目でわかる ようになります。 次回のブログで、ひとつひとつの項目を見ていきます。 最後に、スタッツは重要ですが、バスケットボールには スタッツ(数字)には表れない大事なもの もあります。 コート内外の声かけなどはそうです。スタッツのどこにも書かれはしません。しかし、 残り時間を大きな声で伝えたり、良いプレーをした選手をたたえたり...

スタッツの話(2)

  スタッツの項目と見方について一つ一つ見ていきましょう   3Pt はスリーポイントです。その下のアルファベット M はMadeの略で、スリーポイントを決めた数です。 A はAttemptedの略でスリーポイントシュートを打った数です。つまり、 M の数が A の数より大きくなることはありません。選手のマスには、その下に%が出ます。 スリーポイントの成功率 になります。 2Pt は2点シュートです。アルファベット M はシュートを決めた数で、 A はシュートを打った数です。その下の%は 2点シュートの成功率 になります。 FT はフリースロー(Free Throw)です。アルファベット M はフリースローを決めた数で、 A はフリースローを打った数です。その下の%は フリースローの成功率 になります。 OR はオフェンスリバウンド(Offensive Rebound)の数です。オフェンスの時にリバウンドを取った数です。 オフェンスリバウンドは自分たちの攻撃のチャンスが増える ので、チームへの貢献度が高いです。 DR はディフェンスリバウンド(Defensive Rebound)の数です。ディフェンスの時にリバウンドを取った数です。 ディフェンスリバウンドは敵の攻撃のチャンスを減らす ので、チームへの貢献度が高いです。 R はリバウンドの数です。 OR と DR の合計 になります。 S はスティール(Steal)の数です。スティールは、 ディフェンスの時に敵からボールを奪う こと です。 敵の攻撃を自分たちの攻撃に変える ので、チームへの貢献度が高いです。 AS はアシスト(Assist)の数です。アシストは、 オフェンスの時に得点に直接貢献するパス です。そのパスがなければ得点はなかったであろうと考えられるので、チームへの貢献度が高いです。 TO はターンオーバー(Turnover)の数です。ターンオーバーは、 オフェンスの時にミス(スティールされたり、トラベリングしたり)で相手に攻撃権がうつってしまう こと です。 自分たちの攻撃を敵の攻撃に変えてしまうので、減らさなければならない ものです。 BK はブロック(Block)の数です。ブロックは、 ディフェンス の時に相手のシュートを防ぐプレー です。ブロックが...